お金にならないお金の話

お金は使うと無くなる、これを公理とする

魔法と保存則と経済

魔法と保存則と経済

魔法で500円玉を呼び出せるとする。コインが湧き出す手品のように、500円玉が手に入ると、日常生活に不自由は無くなる。この魔法が密かに広まると、働かなくても生活できる人が増える。やがて、生産活動が停滞し、貧しい生活を送ることになる。これが、経済の保存則の破綻である。

貧しい状態でも、農産物や水産物は収穫分を食べることが出来る。これは自然の保存則である。自然に働きかけて収穫し、収穫物を食料として生きる、生物としての生活であり、生物の保存則に従っている。ここで、食料が湧き出す魔法が登場すれば、生物システムと無関係に人間は増加し、生物の保存則は破綻する。

現在の人間は、生物の保存則と生物の保存則から逸脱した経済の保存則の両者の上に生活している。農産物は生物であるが、保存則としては経済に属している。工業、情報産業は経済の保存則に従っている。そして、魔法が使えると保存則は破綻する。お金の魔法であれば経済が破綻し、食料の魔法であれば生物システムが破綻する。保存則の成立は、魔法が使えないことの証明であり、必ずしも数式で示す必要はない。魔法が使えなければ、保存則が成立している。そして、保存則を明示的に示す作業が学問であり、保存則が無い現象には学問も成立しない。

経済は、魔法が使えるのだろうか。国際金融資本は、魔法で貨幣を生み出し、人類を支配しているのだろうか。誰であろうと魔法を使えば、保存則が破綻する、経済も同様である。経済で人類を支配する為には、魔法を使わずに貨幣を管理する必要がある。経済に魔法はない。即ち、経済には保存則が存在する。