お金にならないお金の話

お金は使うと無くなる、これを公理とする

天然資源はゼロ円

天然資源はゼロ円

天然資源は、石油、石炭、天然ガス、鉄、レアメタルなどを思い浮かべるだろうか。これらに加えて、回遊魚や深海魚も天然資源である。さらに、海水、空気も天然資源である。空気が無料であることは共通認識である。これを考察の基点、公理とする。空気は無料であるが、クリーンルームで使用する空気は、加工して利用するため、費用が発生し、価格が存在する。同じように、未発見の石油には価格が無い。発見され、産出方法が決まった時点で産出コストが推算される。但し、最終の石油価格は、政治的な要因が強く、政府を強く考慮する必要があり、ここでの考察には適当でない。

石炭は、産出地域も多く、経済原理に従う。要求品質を満たした、安い商品が取引される。経済では取引された商品が生産であるから、低コストの石炭しか生産されない。どんなに埋蔵量があろうが、生産コストが高い場合は生産されない。この生産コストは、採掘に必要な設備と作業員の人件費で決まる。石炭自体にはお金を払わず、石炭自体に貨幣価値は無い。即ち、天然資源はゼロ円である。

    f:id:yunopower:20210508100429p:plain

商品の価格は、生産=資本減耗+賃金、と示されるが、天然資源にもこの式が適用できることが分かる。取引される資源の価格は、採掘に必要な資本減耗と賃金によって決まる。魚についても同様である。サンマの値段は変動が激しいが、価格=資本減耗+賃金であり、大漁であれば一匹辺りの価格は下がり、不漁であれば単価は上昇する。そしてこのように、価格の決まった物資は、もはや天然資源ではなく、付加価値である。天然資源が取引された時点が、付加価値誕生の瞬間である。