お金にならないお金の話

お金は使うと無くなる、これを公理とする

コンビニおにぎり

コンビニおにぎり

 コンビニでおにぎりを買うにはどうすれば良いか。コンビニおにぎりの購入方法を解説する。始めに食べたいおにぎりを選ぶ、次に値段が妥当か判断する。資本主義経済ではこの順序が重要である、良いものを安く買う努力が消費者の義務である。商品を選んだら、手に取りレジに持っていく。レジで会計処理を行えば、完了である。自分のおにぎりである。

 

     f:id:yunopower:20210429104614p:plain

 ここでいくつか疑問が生まれる。まず、自分のおにぎりとは、どういう状態か。食べたいおにぎりを買ったのであるから、食べて良い状態である。ただ食べて良いのではない、自分だけの判断で、いつどこで食べても良いのである。実は、食べなくても良い、友人にあげても良いし、何かと交換することも出来る。食べ忘れて捨てたとしても、誰からも非難されない。強力な権利である。

それでは、この強力な権利をどのように得たのであろうか。消費者の義務として選んだからであろうか、手に取ったからか、レジで会計した時か。当然、レジでの会計で自分のおにぎりとなる。厳密には、バーコードを読み取った瞬間である。お金を払った時ではない。カード払いでも悩む必要は無い。

次の疑問は、会計の前、陳列されている時は誰のおにぎりか。コンビニのオーナのものであろうか。確かに他には考えにくい、納入業者、製造業者、コンビニ本社の社長、誰も食べることは許されない。ところが、オーナもレジを通さなければ食べることが出来ない。お金は、自分で払い、自分で受け取るのであるから不要だとしても、レジでの会計は必要である。一般的に、社長が自社製品を流用したならば、横領である。

 

コンビニおにぎりは、レジで会計をすれば誰でも食べることができるが、レジで会計をする前は誰も食べることが出来ない。これは、会計により権利が発生したと考えられる。この権利を所有権とすれば、会計前には所有権が無いことになる。この現象を整理すると、商品には所有権が無く、消費(個人用に購入すること)によって、所有権のある所有物に変化したことになる。さらに、公理、お金は使うと無くなる、を導入すると、消費によって商品とお金が対消滅し、所有物に変化したと解釈できる。

 

もうひとつ、レジを通過する前後で、おにぎり自体は何の変化も無い。会計前は商品で、会計後は所有物であり、両者は排他的関係であるが、共通の性質も存在する。両者の性質についての整理が必要である。