お金にならないお金の話

お金は使うと無くなる、これを公理とする

会計の収支式

会計の収支式

貯蓄=資本蓄積の関係は、生産における付加価値の収支式である。これに対し、会計はお金と付加価値をまとめて管理しており、会計の収支がバランスシートである。バランスシートは、理論的な定義は無いように思うが、実際の運用において、正しさが証明されている。バランスシートはストックの均衡を示しており、収支は適切ではないが生産との対比から収支とする。

会計の収支は式(13)、(14)で示される。経済全体では式(15)となる。

(13) 借方=貸方

(14) 流動資産+固定資産=他人資本自己資本

(15) マネーストック+資本ストック=銀行資産+日銀資産

他人資本とは返済義務のある借金であり、銀行の資産に対応する。自己資本とは返済不要の借金であり、日銀資産に相当する。株式会社が社債を株式に転換すると、他人資本自己資本に変化し、返済義務が消失する。同様に、銀行保有国債を日銀が購入すると返済義務が消失する。

マネーストックは預金と現金の合計であり、通貨残高である。資本ストックは、毎年の資本蓄積が累積した資本の合計であるから、

(16) (預金+現金)+ Σ資本蓄積 = 銀行資産+日銀資産

次に、銀行の資産は貸付金と利子収入の累積である。日銀の資産は当座預金と現金の合計と対応し、式(17)となる。

(17) 預金+現金+Σ資本蓄積 =(Σ利子+貸付金)+(当座預金+現金)

貸付金と当座預金の合計が預金と一致するので、整理すると、

(18) 預金+現金+Σ資本蓄積 = Σ利子+預金+現金

(19) 資本蓄積=利子

毎年の資本蓄積が毎年の銀行の利子収入と一致する。

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資本蓄積=利子